SNOWLOGの日記。

雪とねこが好きです。日々読書、日々学習、日々成長を目指すブログです。

NHK「三島由紀夫×川端康成 ノーベル賞の光と影」、川端と太宰と三島と。



  藤井七段は記録更新できなかったようです。

残念ですな。


 NHKで2月4日に、

三島由紀夫×川端康成 ノーベル賞の光と影」という

番組を放送していたのだったが、

三島由紀夫は自殺して、

川端康成も自殺したといわれる作家である。

 この二人に関係がある芥川龍之介太宰治も自殺している。

亡くなった順は太宰治三島由紀夫川端康成の順である。

これに芥川龍之介の自殺をくわえると

昭和2年(1927年)から

昭和47年(1972年)

の45年間に四人の作家は自殺している。

1927年 芥川龍之介 35歳

1948年 太宰治  39歳

1970年 三島由紀夫 45歳

1972年 川端康成  73歳

いずれも日本文学史上に名を残す文豪である。


 4人は微妙に関係がある。

 太宰治芥川龍之介の作品を読んでおり

影響を受けている。

初期の作品はよく似ている。

太宰は晩年に志賀直哉を罵倒したしたときに

芥川の気の弱さに言及している。

 三島由紀夫は生前に太宰治と面会している。

そのとき面と向かって「僕は太宰さんの文学は

嫌いなんです」と太宰に言っている

と三島は書いている。

この発言に太宰は憮然としていたようだ。

 三島由紀夫は日本のハイソサエティ(この言葉も死後ですね)の

言葉使いをよく知っているが、

太宰の作品に出てくる

華族の言葉使いを批判している。


 川端康成太宰治芥川賞の候補になったとき

作者が生活が乱れているので

受賞はできないという旨の文章を書いた。

太宰は怒って、

「(川端が)小鳥を飼って舞踊を鑑賞するのが

そんなに立派な生活なのか!」と反駁した。



 三島は自殺した作家が嫌いのようで、

作品の評価とは別として芥川のことも嫌いであったようだ。

「芥川は自殺が好きだったから自殺したのだろう。」

とやや軽蔑的に書いている。

三島は、芥川の晩年の私小説風の作品の

評価が高いといわれているのだが、

そうではなくて、

「手巾」などが優れていると書いている。


 三島と川端の関係はどうか?

三島は最初は川端康成に師事したが、

佐藤春夫にも接近している。

 佐藤春夫は人望があり人情もあり

文壇での政治力もあった。

 三島由紀夫にはそういうところがある。

芥川龍之介も同年の佐藤春夫に接近した。

 佐藤を味方につけておくと何かと

 得だろうとおもったようだ。

 芥川は人にひじょうに気を使う人でもあった。)

 三島と川端が親密だったので

佐藤は三島を退けたようだ。

佐藤春夫川端康成は仲が良くなかったといわれる。

 川端はなぜ自殺したのか?

はたして自殺だったのかという説もある。

 事故ではなかったのかというのである。

ノーベル賞受賞後のプレッシャーがあったとか

遺書がないので自殺かどうかもわからない。

 芥川が自殺して、その後

遺書が公開されたが、それを読んだ川端は

「あの遺書は芥川氏の恥だと思った。」と言いきっているので

自殺だとしても遺書はないだろう。


  ノーベル文学賞の元選考委員が

すでに亡くなった作家について言及していたことがあったが

 安倍公房が生きていたら受賞していただろうということであった。

日本人の作家の中では非常に受賞に近かったといっていた。

三島由紀夫はそれほどではなかったという。

 ちなみに安倍公房は1924年生まれ、

三島由紀夫は1925年生まれで

同世代である。

  芥川龍之介川端康成太宰治三島由紀夫

のかでいちばん広く読まれているのは、芥川龍之介

太宰治だろう。

芥川の作品は短編のみであるし、

太宰治の作品はひらがなが多いので読みやすい。

 四人のうち川端康成を除いた三人は中学生でも読める。

 リアルなものがなくて、童話を読んでいるように

読めるからである。

 ここで松本清張の説を出すと、はっきりとわかる。

清張がいうには

人生経験がなく学生からすぐに作家になった作家は

リアルな人物が書けないというのである。

  時代ものや歴史ものを除いて、

描く人物がにたような人物ばかりである。

 三島由紀夫が特にそうなのだが、

どこで生まれて、どこに住んでいて、先祖や親はどのような人で

国立大学を出て、勤務先はどこで、今は何をしている

という似たような人物ばかりが出てくる。 

 三島由紀夫は候補になっていたようだが

 ノーベル賞受賞作品は一定の傾向が

あるといわれているが、

類型的な作品では受賞は難しいのかなと思う。

 川端康成ノーベル賞受賞時に

「伝統、翻訳、三島君のおかげ」と

語った。

  芥川龍之介ノーベル賞は難しそうである。

短編しかないからである。

「玄鶴山房」はわたしは好きな作品なのだが、

他の作品に比べて長めである。

しかし、この作品でも短いと思う。

 太宰治はどうか?

中期の作品、

「惜別」「右大臣実朝」「御伽草子」などが

好きである。

しかし、やはりノーベル賞は難しいだろう。

あの独特の文体の翻訳は難しいと思う。


 三島由紀夫の小説作品で好きなのは

主に短編で、「親切な機械」「鍵のかかる部屋」などである。

 川端康成の作品で好きなのは掌の小説である。

特に「心中」が好きである。



 最後まで読んでいただいてありがとうございます。




鍵のかかる部屋 (新潮文庫)

鍵のかかる部屋 (新潮文庫)

掌の小説 (新潮文庫)

掌の小説 (新潮文庫)